笹百合によせて

「涼しやと風のたよりをたづぬれば繁みになびく野辺のさゆり葉」式子内親王

 

水無月のこの頃になると会いたくなる花。

 

笹百合。

百合と聞くと白い花を思い浮かべるけれど、笹百合は淡い薄紅の花。

 

私は和歌が好きなのだけど、万葉集などで謳われている百合はどうやらその笹百合のことらしい。そう知って、その姿を見たいと切り花で届けてもらったのは三年前のこと。※笹百合は西日本にしか自生しておらず、また殆ど流通していないので関東ではなかなかお目にかかれないのです。

 

蕾で届られた笹百合。その数は、三十ほど。


蕾は、ゆっくり夢見るように開いていき、やがて澄んだ甘い香りを漂わせた。


清澄の花。そう感じた。

 

その姿と香りにすっかり魅了され、笹百合の祭り三枝祭りを見に奈良の率川神社へ。そしてその足で笹百合の故郷三輪を訪ねた。今から二年前のこと。写真は三輪の狭井神社で咲いていた笹百合。

 

去年は笹百合の和菓子があると知ってお茶会でお出ししたりも。

たねやさんの「ささゆり」。

 

一週間後、17日は三枝祭り。

今年も彼の地で咲いているであろう花を想う。

 

来年は…また会いに行きたいと思っている。

 

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