名残の紫陽花

水無月も残りわずか。梅雨も明けてしまったのかのような暑い日の「おもてなし茶の湯」でした。

ご用意したお菓子は両国屋是清さんの「紫陽花」。雨の季節の名残を惜しみ、来(きた)る季節を迎える。そんな気持ちでご用意しました。

 

昼間にいらしてくださった方は、茶道経験のある方。

「昔のことなので、すっかり忘れています」と仰っていましたが、初心者だと難しい茶巾の畳み方なども、少しお伝えするとさらりとこなしていらっしゃいました。お稽古して身に付けたことは、忘れたつもりでも自然に出てくるもののようです。

身に付けた所作は、普段の生活でもその方の雰囲気を品のあるものにしてくれるかもしれませんね。

 

「そうそう、こんな感じでした」と、以前、嗜んでいらした茶道を思い出されたようで、とても楽しそうなご様子。

 

有結流のテーブル茶道では、基本のお点前がスムーズにできるようになると、お道具を変えたり濃茶を練ったりと様々なレッスンがあるので長く楽しんでいただけると思います。


夜は、昼間とは対照的に全くの初心者の方ばかりの会でした。

茶道の所作には理由や意味があります。ひとつひとつお話させて頂くと「なるほど」という反応をいただけます。

 

「そういえばお抹茶は漉すのですか?」というご質問をいただきました。

お抹茶は新鮮なものでも、少し揺らすと静電気で「だま」になってしまいます。だまは茶筅振っても塊のままなので、使う度に漉すようにしています。今回の「おもてなし茶の湯」用に漉したお抹茶。

時間がかかりますが「美味しい一服になりますように」とご用意する時間は幸せな時間です。


夜の会の片付けも終えてお教室を出たのは23時頃。

見上げると見事な月が浮かんでいました。

 

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有結流ゆいテーブル茶道教室