夏おくる

先日の茶道教室のお話です。

いつものお稽古では、お茶を点てた後は、ご自身でお茶をお相手のところに運びますが、先日は半東さんの役を設けてお茶を運んでいただくことにしました。

半東さんは、亭主の補佐をしてお茶会がスムーズに進むように務める役です。今日練習したのは、お点前が始まったら、亭主のところに次に使うお茶碗を持っていく、亭主の点てたお茶をお客さまに運ぶ、お客さまが召し上がった後のお茶碗を下げるといった3点。

 

折角なので、お正客さま役、亭主役、半東役を全員が順番に担ってみる回り点前にしてみました。

どの役も覚えることがあるので慣れるまで少し時間がかかりますが、茶人さんでパワーレッスンにも参加されている方は、どの役も卒なくこなしていらっしゃいました。お稽古の成果ですね。

 

お菓子は、たねやさんの「夏おくる」をお出ししました。

川を流れていく灯、灯籠流しのような意匠です。

 

茶道教室の翌日は、ちょうど京都の五山の送り火の日。

思い出すのは、京大の関係者の方にお招きいただいて京大から拝見したこと時のこと。

闇に大きく浮かび上がる東山の「大文字」。

やがて現れる「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居」。

当時、人生の節目のような時期ということもあり、燃える炎を静かに見守った記憶があります。

 

最初に送り火を見たのは、二十代の頃。

東山の旅館に滞在して「大文字」の一文字だけを見ることができました。

京大での送り火はその約十年後だったと思います。

 

夏がゆくのを思い、過ぎた十年を思う。

 

送り火が終わると、夏の暑さも峠をこえ朝晩は涼しくなってきます。

来週には、二十四節気の「処暑」を迎えます。

 

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有結流ゆいテーブル茶道教室