水曜の夜の茶道教室の日。秋葉原の有結サロンに向かう途中、目に入ってきたのはお月さま。
今月の二十四日は中秋の名月なので、ちょうど上弦を過ぎた頃の満月に向かう月でした。
綺麗な月に会えたので、お教室の始まりに月の話を少しさせていただきました。
満ち欠けを繰り返す月。
その姿によって、上弦の月、下弦の月と呼ばれることがあります。
そして夜が明けても、空に白く残っているのは有明の月。古典でよく目にする有明の月は遅い時間に上り朝になっても残っている下弦(欠けていく)の月になります。
「今こむといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」素性法師
今行くというから、あなたを待っていたら現れたのは九月の有明の月だった。
有明の月、つまり明け方の月なので、あなたを起きてずっと待っていた、という意味になります。
月の呼び方を知っていると理解も深まりますね。
今度、月に出会ったら、この月は...と思い出してみてください。
さて、この日のレッスンには、六回目の方がいらっしゃいました。
有結流ではだいたい六回で基本のお点前ができるようになるので、六回教室に通われた方は、茶人(ちゃびっと)さんに認定させて頂きレッスンの最後に認定書を差し上げています。
認定書を差し上げるのは本当に嬉しいものです。
新しい茶人さんは
「これからが楽しみなんです。近所の方にお茶を点ててあげたいのです」と仰っていました。
覚えたことを活かして、ご近所の方にもお茶を楽しんでいただけると良いですね。
新しい茶人さんは、これからも引き続き茶道教室PLUSやパワーレッスンで学ばれることになりました。
「茶人会員でも基本のお道具でレッスンできますか?」とご質問いただきました。
茶人会員さんの茶道教室PLUSでは毎月変わるお道具でレッスンをしますが、基本も復習ももちろん大切なので、ご希望があれば基本のお道具でのレッスンも承れます。今月は基本のお道具が良いなという場合にはお知らせください。
そして三回目の方は、今日からお盆でのお点前になりました。
「お相手にお茶を点ててみましょうか」とお伝えすると、「見られるのは恥ずかしいですね」と仰りながら笑顔で楽しそうに美味しいお茶を点ててくださいました。
この日にお出ししたお菓子は、鶴屋吉信さんの「萩の宿」。月下の萩の姿ですね。お干菓子は菊屋さんの「友禅きく」でした。
お干菓子の末広には今日のお祝いの気持ちを込めています。
お教室を終えての帰り途、すだく虫の音。上弦の月。
「こほろぎの待ちよろこべる長月のきよき月夜はふけずもあらなん」
空気も秋の澄んだものになり、月の美しい夜でした。