秋名残

明大前で茶道教室のお稽古が二回の日。

この日は茶人(ちゃびっと)さん誕生の嬉しい日となりました。

ご自宅でも朝抹茶をされたり、お嬢様にお茶を点てて差し上げたりされているそうです。お伝えしたことが活かされているお話を伺うのはとても嬉しいことです。

 

つい先日、お教室に入られたように思いますが、早くも6回目。お点前の披露となりました。

お客さま役は、この日入られたおふたり。

おふたりの真摯な眼差しを受け、指先も微かに震えていらっしゃいましたが、点てて頂いたお茶は本当に美味しかったそうです。 

 

お点前の後に、茶人さんになられた方がまだお茶を召し上がっていなかったので、私から一服差し上げました。

努力を称えたいと思っていた私の心も汲んでいただいたようで、「ご褒美のようです」と、とてもホッとしたご様子で嬉しそうに召し上がっていらっしゃいました。

無言でも伝わる心。とても穏やかに空気が流れていたように思います。

お作法を覚えながら、和のことの知識を深めながら、その場にいる方たちと心を通わせる。

そんな場にできるように、私もまだまだ学ばなければなりません。

 

この日は二回のお稽古で三人の新しい方が入られました。

入ったばかりと思っていた方たちも、あっという間に先輩に。

 

そんな方たちにご用意したお菓子。

 

主菓子は銀杏の姿「秋名残」鶴屋吉信製。

お干菓子は万葉集の講座でもご紹介した紅葉の名所竜田川の意匠「竜田川」菊屋製。二回めのお稽古では「霜ばしら」をお出ししました。

 

菓子器に秋の情景を描いていると、ふと子供の頃を思い出しました。

落ち葉や霜柱を踏む音、秋の香り、哀を含む凛とした空気。

お菓子を召し上がる方たちは何を思われるのか。

そんなことも少し考えておりました。

 

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