夢見草

平日夜のお稽古は蔵太茶箱のお稽古でした。二回目のご受講なので、前回よりも随分と余裕のあるように見受けられました。お点前の約束事がこの一年で身についていらしたのではないでしょうか。

 

 

 

夜道をお教室へ歩いて来たら途中の公園の桜が随分と開いていました。

 

そんなお話にまるで合わせたかのようなご用意は、「夢見草」森八製。

夢見草は、夢のように儚く美しいことから付いた桜の別称です。

宵闇に浮かぶ桜。それは夢と現の境に咲く花。

 

「不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與」

ふと荘子の「胡蝶の夢」や、こんな一首が浮かびました。

「世の中は夢かうつつかうつつとも 夢とも知らずありてなければ」古今和歌集

 

お茶銘とお詰めは今回も思い思いに付けて頂きました。

「蕾」花の舞

咲き初めから、散って行くまでの時を感じて頂きたくて。

「胡蝶の夢」宵闇堂

夢と現。淡いに咲く花に思いを寄せて。

 

「今更ですが問答をする意味が分かった気がします」とのご感想はとても嬉しいものでした。

 

智と感性を磨くのは楽しいことです。帰り道の桜は同じ花でも、また違って映るのではないでしょうか。

 

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